メニュー

トピックス

【2023.12.25 GIR公開セミナー報告】Dr. Peter Kitin “Multidimensional microscopy of plants and plant biomass”

イベント報告
2024.1.9

◆講演者:Dr. Peter Kitin (米国アメリカ合衆国、農務省、サイエンティスト)
◆講演タイトル: “Multidimensional microscopy of plants and plant biomass”
◆日時:2023年12月25日(月) 13:00~15:00
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 1号館 1-11号講義室、Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:半 智史 准教授(グローバルイノベーション研究院 食料分野 半チーム
開催案内
◆参加人数: 21名

講演概要

 食料分野半グループでは、Peter Kitin先生(Forest Products Laboratory, U.S.A.)をお迎えして、公開セミナーを開催した。Kitin先生は木材解剖学および樹木生理学の分野で最もアクティビティの高い研究者の一人であり、様々な顕微鏡を用いた観察手法に精通している。今回は「Multidimensional microscopy of plants and plant biomass」というタイトルでご講演いただいた。公開セミナーには、木材解剖学、樹木生理学、細胞生物学、セルロース科学、バイオマス化学、環境資源科学に関連する教員、研究者や学生が参加した。本セミナーはオンラインでも配信しており、学外の研究者がセミナーに参加していたため、本学GIRでの活動を学外にアピールすることにも繋がった。
 セミナーの前半では、顕微鏡による植物および植物バイオマスの観察法の紹介に加えて、樹皮における光の透過性の話題が紹介された。まだほとんど研究がされていない研究トピックであるが、今回の本学での滞在中に取得したデータを含めいくつかの研究成果を紹介いただいた。樹皮を光が透過することの生理学的な意味はまだ十分に理解されていないところであるが、樹木が葉を通してのみではなく、幹で直接光を需要することは樹木生理学において非常に興味深い現象である。今後の継続的な国際共同研究の遂行を含め、研究のさらなる発展が期待できる内容であった。セミナーの後半では、クライオ技法と顕微鏡法の組み合わせの利点、蛍光色素を用いての木材の腐朽進行の評価、近年着手しているセルロースナノファイバーの様々な可視化手法についての話題が紹介され、今後新たな国際共同研究を実施する可能性について期待できる内容であった。
 質疑応答の時間では、これらの興味深い研究成果や研究手法について活発な議論が行われた。セミナーには学生も多く参加しており、本学の学生にも刺激を与えることができ、教育面においても意義深いセミナーとなったといえる。

このページの上部へ