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イベント報告

【2019.11.27 GIR公開セミナー報告】”Hydrogeomorphic processes and hazards in high mountain environment”

2019.12.4

講演者 

Dr. Roy C. Sidle (Professor, University of Central Asia, Tajikistan)

◆日時:2019年11月27日(水)

◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 2号館2-23講義室

◆言語:英語

◆開催担当者:五味 高志 教授 (グローバルイノベーション研究院  食料分野 五味チーム)

◆参加人数: 18名

開催案内

講演概要

サイドル教授のセミナーは、山地や山岳地域における水文地形プロセスと災害や防災についてのお話しをいただいた。世界各地における山岳地域では、氷河の融解や降雪量の変化などにより、地球温暖化に対して脆弱な環境である。このような脆弱な環境下であるものの、それらの地域においては、持続的な地域社会、社会基盤の維持、農業生産を行う必要がある。このような山岳山地地域では、土砂災害や洪水などの災害も多発するなど、近年大きな課題となっている。とくにSDGsの達成に向けて、山岳地域は重要な要素となっている。

本セミナーでは、山岳地域における水文プロセスと防災について、タジキスタンの事例が紹介された。タジキスタンはパミール山脈があり、山岳地域での積雪量が、地域の水資源のみならず、ウズベキスタン等の下流域においても重要である。近年の地球温暖化により氷河の量が減少している。一方、春先の急激な融雪や降雨により洪水や土砂災害が発生している事例が紹介された。また、山岳地域における農業としては、限られた水資源を有効活用する灌漑技術や、乾燥地域への耐性が高い作物の重要性が示された。

これらの山岳地域における最新研究としては、人工衛星やドローンなどをリモートセンシング技術の活用が紹介されるとともに、これらの最新技術による防災・減災活用への方向性など示された。また、近年に、日本は、降雨による土砂災害とともに、地震による土砂災害も顕在化しており、降雨と地震の複合災害への対策手法などへの解説も行われた。

このようにセミナーでは、最新研究技術のみならず、最新研究成果を社会実装するための手法や、各関係者との連携のあり方まで説明がなされ、日本人学生や留学生などから、基礎的な内容から応用や社会実装までの手法、自国における適応方法などについての質問がなされた。

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