メニュー

トピックス

【2025.1.30 GIR公開セミナー報告】Dr. Patrice Simon “Next-Generation Energy Storage: Mechanisms, Materials, and Innovations”

イベント報告
2025.2.4

◆講演者:Dr. Patrice Simon (フランス、ポールサバティエ大学、教授)
◆講演タイトル:”Next-Generation Energy Storage: Mechanisms, Materials, and Innovations”
◆日時:2025年1月30日(木) (13:00~15:00)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 工学部講義棟 1階 L0013講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 松村 圭祐(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 岩間チーム
開催案内
◆参加人数:27人

講演概要

今回、Patrice Simon 先生をお迎えし、GIR公開セミナーを開催した。Simon 先生は、フランスのトゥールーズ第三大学(ポール・サバティエ大学)の教授であり、材料研究工学の国際センター(CIRIMAT)においてエネルギー貯蔵材料の研究を牽引している。また、フランスの電気化学エネルギー貯蔵ネットワーク(RS2E)の共同ディレクターを務めるなど、スーパーキャパシタおよび次世代エネルギー貯蔵技術の分野で世界的に著名な研究者である。
本講演では、最先端の電気化学測定技術とエネルギー貯蔵メカニズムの理解に関する内容が紹介された。具体的には、In-plane operando EISによる電極材料の抵抗変化の解析、EQCMおよびDilatometryを用いた電極電解質界面の評価、さらにゼータ電位測定を利用したカチオンの吸着特性評価など、エネルギー貯蔵デバイスの性能向上に寄与する先端的な分析手法が詳細に解説された。特に、電気二重層メカニズムとInsertionメカニズムを、溶媒和数の大小やカチオンの接近性による連続的な理論モデルとして統一的に説明する新しい視点が示され、参加者の関心を集めた。
質疑応答では、これらの手法の応用可能性や、Naイオン電池システムへの展開について多くの質問が寄せられた。特に、欧州におけるNaイオン電池の研究動向や、今後の技術発展の方向性に関する議論が活発に行われ、NVPFなどの具体的な材料開発に関する関心も高かった。本学の研究と照らし合わせながら、電極-電解質界面の理解を深め、次世代エネルギー貯蔵材料の設計に向けた新たな視点を得る貴重な機会となった。
本セミナーを通じて、最先端の電気化学的分析手法とその応用可能性に関する理解が深まり、国際的な研究連携の重要性が再確認された。今後もこのような機会を通じて、エネルギー貯蔵技術の進展と若手研究者の育成に貢献していく所存である。

このページの上部へ