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【2023.7.19. GIR公開セミナー報告】Dr. Ahmed S. G. Khalil “Precise Engineering of 2D Nanomaterials and Nanocomposites for High Performance Water treatment and Energy Storage Applications”

イベント報告
2023.8.28

◆Dr. Ahmed S. G. Khalil (エジプト、エジプト日本科学技術大学、教授)
◆講演タイトル: “Precise Engineering of 2D Nanomaterials and Nanocomposites for High Performance Water treatment and Energy Storage Applications”
◆日時:2023年7月19日(水) 15:30~16:45
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 工学部講義棟 3階 L0033講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:大橋 秀伯 准教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 富永チーム
開催案内
◆参加人数: 34名

講演概要

 エジプトF ayoum University とE gypt J apan University of Science and Technology ( E JUS T の教授を兼任するA hmed S. G. Khalil 先生をお迎えして、G IR 公開セミナーを開催した。K halil 先生はE JUS T にて若くしてEnvironmental and Smart Technology Group を立ち上げたエジプト新進気鋭の研究者である。今回のセミナーでは水処理とスーパーキャパシタの研究について紹介をいただいた。
 エジプトは世界1 65 カ国の中で、ワースト8 位の水事情となっており、水問題の解決が急務であることから、K halil 先生は特に水処理膜についての研究を精力的に行っている。重要な膜性能として水の透過性が挙げられるが、スタンプを用いて微細なパターンを膜の表面に刻印することで、膜表面積の増加に加え、流れを乱す効果を発揮して、元の膜の2 倍の水透過性を発揮することが紹介された。また、油と水がエマルションとして混じった状態から、油を分離して水をきれいにする膜についても研究を行っており、親水性のナノシートであるM oS 2 を導入することで、膜が効果的に親水性を獲得し、油水分離を行えることを明らかにしている。
 エネルギー用途に関してスーパーキャパシタ研究の紹介もいただいた。K hal il 先生は種々のナノ材料の合成を得意としており、M oS 2 の非常に大きな比表面積を用いることで、5 90 F/g という従来研究に比べても高いキャパシタ容量を示した。このほかにもレーザーの照射によりグラファイト化した材料(L IGIG)や、フェライトとカーボンナノチューブを複合した材料でもスーパーキャパシタ性能を示すことがについても紹介されていた。
 Khalil 先生は、分野外の学生にもわかりやすいように、丁寧にかみ砕いて説明するだけでなく、エジプトのお土産をご持参くださり、質問した学生に配るなど、非常に工夫された講演を行っていただき、非常に楽しんで講演を聞かせていただいた。活発な質疑応答がなされ、G IR 富永チームのエネルギー用途に資する研究も紹介され、非常に有意義なセミナーであった。

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