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【2023.7.3. GIR公開セミナー報告】Dr. Tuan Tran “Stick-Slip Dynamics for Unsteady Wetting on Soft Solids”

イベント報告
2023.8.7

◆Dr. Tuan Tran (シンガポール、南洋理工大学、准教授)

◆講演タイトル: “Stick-slip Dynamics for Unsteady Wetting on Soft Solids”

◆日時:2023年7月3日(月)14:  30~15:30

◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 6号館 5階 501南セミナー室、Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者:田川 義之 教授(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 田川チーム)

開催案内

◆参加人数: 23名

講演概要

ライフサイエンス・田川研究チーム Tuan Tran准教授先生(南洋理工大学,シンガポール)をお迎えして,公開セミナーを開催した.

Tran先生は2004年にベトナムのハノイ科学大学の工学力学学科を卒業し,2010年に米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で博士号を取得した.その後,オランダのトゥエンテ大学の流体物理学グループで博士研究員として勤務し,2013年7月に南洋理工大学の機械・航空宇宙工学部の助教授として着任した.

Tran先生は流体物理分野における界面力学を専門とされており,顕著な業績を挙げている.なかでも液滴の衝突・濡れ現象に関する画期的な理論的枠組みを提案されており,その内容は複数のトップジャーナルに掲載されるなど,大きな注目を集めている.

本セミナーでは,Tran先生より軟質固体面上おける液滴が非定常的に濡れている際のスティック・スリップ挙動についてご講演いただいた.液滴の濡れの最新発見が紹介され,多くの聴衆が聞き入った.

本講演の初めに,研究背景として, 固体面の状態が液滴の濡れに与える影響について紹介した.例えば、固体面の荒さや電場や温度により液滴の濡れがどう変わるかを説明した.その後, 固気液界面において液体の広がりと固体の変形が自発的に起こるため,軟質固体上の液体の非定常的な濡れ(広がり)に関する研究を行った.スティック・スリップというのは,濡れの行き止まりのことであり,液体の拡散速度と固体の粘弾性反応速度の競合から生じることを説明した.この界面の挙動は,軟質固体の成長変形を動的な表面不均一性として考慮することで記述・制御できることを示す.本研究の応用について,積層造形,フレキシブルエレクトロニクスの製造,および生物医学などの応用例を挙げた.

講演により,液滴の衝突現象の最新理論が紹介され,多くの聴衆が聞き入った.講演後,聴講者から多くの質問が出され,活発な意見交換が行われた.

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