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◆Dr. Takeshi Harayama (フランス、コートダジュール大学、グループリーダー)(Institute of Molecular and Cellular Pharmacology – CNRS)
◆講演タイトル: “Delineating the roles of lipid structures through metabolic manipulation of cells”
◆日時:2023年3月8日(水)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 8号館 1階 講義室 L0811
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◆言語:英語
◆開催担当者:津川 裕司 准教授 (グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 川野チーム)
◆開催案内
◆参加人数: 50名
講演概要
フランスCNRSの原山武士先生に講演をしていただきました。生物の細胞膜を構成する主要な成分に、リン脂質というものがあります。このリン脂質は、ホスホコリンのような極性基と、脂肪酸の疎水性基が結合した両親媒性の生体分子です。その極性基と疎水性基の組み合わせによって脂質多様性というものが作り出され、1万を超える分子種が生体内に存在すると言われています。この多様性により、シグナル伝達やタンパク質の機能が制御されると言われていますが、多様な脂質分子種が必要な生物学的意義は未だにわかっていません。原山先生は、そのような脂質多様性を作り出すとされる脂質関連酵素を高精度にノックアウトするGENF法を開発し、脂質多様性を自由にコントロールできる系を樹立されました。この手法を用い、たとえばアラキドン酸とよばれる多価不飽和脂肪酸を細胞膜リン脂質へと取り込めなくなった細胞が、酸化ストレス化に対してどのように適応するかを調べ、特定の脂質が存在する生物学的意義の解明に取り組んでいます。この発表では、脂質の基礎、脂質の多様性、GENF法樹立の背景・方法の説明、そしてそれを使った細胞レベルでの検証例について発表いただきました。内容としても、世界最先端の発表であり、生物学をバックグラウンドとしない研究者さえもひきこむ、とても魅力的な発表でした。参加人数としても、オンライン合わせて50名ほどの参加があり、質疑応答においてもとても活発に議論していただきました。
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