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【2022.10.14. GIR公開セミナー報告】Dr. Barbara Reinhold-Hurek “To shed light on life in the dark: Interactions between beneficial root microbes and their hosts”

イベント報告
2022.10.17

◆Dr. Barbara Reinhold-Hurek (ドイツ、ブレーメン大学、教授)

◆講演タイトル: “To shed light on life in the dark: Interactions between beneficial root microbes and their hosts”

◆日時:2022年10月14日(金)

◆会場:東京農工大学 府中キャンパス  新2号館1階 2N-103

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◆言語:英語

◆開催担当者:岡崎 伸 教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 寺田ユニット)

開催案内

◆参加人数: 60名

講演概要

Barbara Reinhold-Hurek先生をお迎えして、GIR公開セミ ナーを開催した。 Barbara先生は、植物の共生微生物を専門とし、International Congress on Nitrogen FixationのPresidentを務めるこの分野の世界的権威の1人である。今回のセミナーでは植物と微生物の共生メカニズムやナミビアでの微生物の農業利用について解説いただいた。

自然界の 植物はほぼ例外なく微生物と矯正している。植物の中に共生する微生物(エンドファイト)であるAzoarcus olearius BH72 は、イネに共生して窒素を固定することができる。Barbara先生のグループは、蛍光タンパク質を利用した発現解析や、マルチオミクス解析により、共生菌がいかに植物に共生して窒素を供給しているのか、その分子メカニズムを明らかにした。

興味深いことに、植物は病原菌に対して防御応答を誘導して病原菌の侵入を防いでいるが、共生菌であるAzoarcusは植物に防御応答を誘導しない。また、Azoarcusは植物の中で効率的に窒素固定を行う機構を保持している。このような知見から、植物と微生物が長い時間をかけて共生関係を最適化するように進化してきたことが窺えた。

セミナーではさらに、ナミビアで行っている小規模農家向けに適応した豆類の根粒菌の調査結果も紹介いただいた。ナミビアの高温で乾燥した土地では高温でも生育できる根粒菌が発見されており、この菌の接種によりカウピーなどの豆類の収量が増大することを紹介いただいた。

公演終了後には聴衆からの質問が多数あり、教員だけではなく多くの学生に刺激を与える非常に有意 義なセミナーであった。

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