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◆講演者:Dr. Takanari Inoue (ジョンズホプキンス大学、米国、教授)
◆講演タイトル:”Inducible Dispersion of Granules: Deconstructing Biomolecular Condensation to Reveal Their Physiological Roles “
◆日時:2026年7月31日(金)(15:00~16:00)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 6館 3 L0631
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院 竹内七海 特任助教 (グローバルイノベーション研究院 ARC川野チーム)
◆開催案内
◆参加人数:18人
講演概要
井上先生をお迎えし、GIR公開セミナーを開催した。井上先生は、細胞内で起こる現象を人為的に操作する技術を開発し、それを用いて細胞の仕組みを調べている。本セミナーでは、細胞内に形成されるタンパク質の集まりを分散させる新しいツールInducible Dispersion of Granules (iDoG)について解説いただいた。
相分離現象は細胞内で起こっており、タンパク質やRNAが集まって、膜を持たない小さな構造を形成することがある。このような構造は「生体分子凝縮体」と呼ばれる。異常な凝縮体は、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経の病気と関係している。しかし、異常な凝縮体が病気の原因なのか、それとも病気になった結果として現れるのかは、これまで十分に分かっていなかった。そこで研究チームは、目的の凝縮体だけを選んで分散させるツールiDoGを開発した。iDoGは約100個のアミノ酸からなる小さな分子であり、光や薬剤を使って目的の場所に集めることができる。これにより、必要なタンパク質やRNAを細胞内に残したまま、特定の凝縮体だけを分散させることが可能となった。また、光のオン·オフによって凝縮体の分散と再形成を調節できることも紹介された。さらに、ALSの特徴を再現したショウジョウバエを用いてiDoGの効果を調べた。病気に関係するFUSというタンパク質が異常な凝縮体を形成すると、ショウジョウバエでは眼の構造が乱れ、運動能力が低下し、寿命も短くなった。一方、iDoGでFUS凝縮体の形成を防ぐと、眼の構造、運動能力および寿命が大きく改善した。この結果から、異常なFUS凝縮体は病気に伴って現れるだけでなく、神経の障害を引き起こす原因の一つであることが示された。
セミナー終了後には、学生·教員らによる活発な質疑応答が行われ、細胞研究の新しい可能性を知ることのできる非常に有意義なセミナーであった。
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