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イベント報告

【2021.2.26 GIR公開セミナー報告】 “Diversity and Evolution of Reproductive Strategies in Vertebrates and Evolution of Novel Neuroendocrine Mechanisms via Hormonal Exploitation”

2021.3.12

講演者 

Dr. David Crews  (Professor, Section of Integrative Biology, The University of Texas, USA)

◆日時:2021年2月26日(金)

◆会場:Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者: 渡辺 元 教授 (グローバルイノベーション研究院  食料分野 渡辺チーム)

◆参加人数: 25名 後日google classroomで配信

開催案内

講演概要

今年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、Dr. David Crewsを本学にお迎えすることができなかったので、Zoomを用いたオンライでのセミナーを開催した。約1年半前に講演していただいた生物、特にアカミミガメやグリーンアノールトカゲなどの爬虫類の様々なレベルにおける性決定のメカニズムについて、初期の研究から最近の成果を交えて性分化の基本から包括的にわかりやすく紹介していただいた。

性には様々な要素があり、段階がある。 遺伝的要因による性決定に関しては、性染色体が関与するものでもX Y型とZ W型がある。さらに、それらのサブタイプも存在する。これは、累積的で経時的に、本質的に出現するさまざまな要素で性分化が誘導されていることを意味する。しかしながら、これらの要素間の機能的な関連付けが、必ずしもセクシュアリティの基本ではない。 これは、染色体の性が必ずしも性腺の性を決定するわけではなく、性腺の性が必ずしも形態学的な性を決定するわけではないことを意味する。性腺の性を決定するものは性を決定しない。 性腺の性は必ずしも外見的セクシュアリティと同じではない。行動上のセクシュアリティは、それを制御する脳神経系の性分化によるが、近年の研究は多くの種で脳神経系の可塑性を示している。これまでに研究されたすべての脊椎動物でセクシュアリティの多くの異なる要素の間には1つの関係しかないようである。 つまり、配偶子の発達は性ステロイドホルモンの存在に依存する。しかしながら、性ステロイドホルモンの産生と分泌は配偶子の存在や発達に依存しない。性ステロイドホルモンの産生と分泌には、個体群の社会性や温度や日長などの物理的環境、さらには植物由来や人工物質などによる化学物質環境によって影響を受けることが知られている。

人間が作り出した化学物質が、地球規模で大気や海洋を汚染している今日、人間の活動が多くの種の進化に影響を与えていることを改めて認識させられる講演であった。

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