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イベント報告

【2021.2.22 GIR公開セミナー報告】 “Endocrine Regulation of Sexual Plasticity in Fishes”

2021.3.8

講演者 

Dr. John Godwin (Professor, Department of Biological Sciences, North Carolina State University, U.S.A.)

◆日時:2021年2月22日(月)

◆会場:Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者: 渡辺 元 教授 (グローバルイノベーション研究院  食料分野 渡辺チーム)

◆参加人数: 33名 後日google classroomで配信

開催案内

講演概要

今年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、Dr. John Godwinを本学にお迎えすることができなかったので、Zoomを用いたオンライでのセミナーを開催した。約1年半前に講演していただいた魚類の性決定及び性転換のメカニズムについて、最近の成果を交えてわかりやすく紹介していただいた。

魚類では、温度と社会的刺激など環境の要因が、個体が雌になるか雄になるかを決定する重要な影響であるという、性決定メカニズムにおいて並外れた多様性を示す。個体間の社会的要因による雌から雄への機能的な性転換を示すカリブ海のブルーヘッドラスと、性決定が温度の影響を受けるサザンヒラメの2種を用いたフィールドベースの研究の結果が紹介された。性決定反応への環境的要因の詳細は、何十年にもわたる研究にもかかわらず、十分に解明されていないが、いくつかの基本原則がこれらの研究から明らかになった。性腺と脳内でのエストロゲン産生と、ストレス反応による内分泌学的変化両方が、環境要因による性決定を導く上で重要な役割を果たしており、それらが性決定過程に与える影響を介していることは間違いない。これらの生体応答のメカニズムは、性分化が環境条件にどのように適応できるかについての魅力的な例であるとともに、表現型の可塑性をより一般的に研究するための有用な研究システムとなる。

海洋に浮遊するマイクロプラスチックが、エストロジェン作用をもつ様々な化学物質を含むことが明らかにされており、地球環境の温暖化と相まって、特にヒラメ類などの底生生物の性分化のメカニズムに大きな影響を与えうることをわかりやすく説明していただいた。

研究者に加え、学生からも英語で質問があり、大変有意義なセミナーとなった。

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