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アナログ・ディジタル部の連携による新たなテラヘルツ帯情報通信機器

【ライフサイエンス】 梅林チーム

  • 研究概要

    情報処理、情報通信技術の発展に伴い、社会において様々な変革が期待されており、その根本を担うのが、情報の取得(センシング)と収集(通信)、そして得られた情報からのAI(artificial intelligence)や機械学習を用いた学習である。本研究課題では、THz帯での情報通信機器としてセンサと無線通信機器に着目する。THz帯の無線通信は超高速伝送が期待できる。また、THz帯センサは非常に高い感度を達成することが出来る。しかしながら、THz帯のような高周波におけるアナログデバイスの開発は非常に困難である。それぞれの情報通信機器においてアナログデバイス部とディジタル信号処理部は独立に検討されてきた。これに対し、本研究課題ではディジタル信号処理部とアナログデバイス部における専門家が連携することで上記の高性能なパフォーマンスを達成する無線通信機器及びセンサを開発する。

  • 研究目的

    本研究課題では、ディジタル信号処理部とアナログデバイス部を連携させることで、効率的なTHz帯において動作する情報通信機器を開発することを目的とする。具体的な情報通信機器として「センサ」と「無線通信機器」に着目する。THz帯においてはその電磁波の特性や、アナログデバイスの特性に関しては未だ不明な項目や課題がある。一方で、ディジタル信号処理は、本質的に柔軟性と拡張性を備えており、アナログデバイスと連携することで適切なシステムの開発及び設計を実現することが期待できる。そこで、本研究課題では、THzのアナログデバイスおよび処理部と、THzのディジタル処理等に携わってきた研究者が密に連携し、センサと無線通信の二つの分野において新しいシステムの開発及び設計を試み、これまでにないTHz帯センサ及び無線通信を示すことを目指す。

    梅林、Prof. Janne Lehtomakiは、THz帯における無線通信に対してディジタル信号処理の研究開発と、電磁波と伝搬に関するモデル化にこれまで携わってきた。有馬とProf. Antti Tolliは、それぞれデバイスの観点からのアンテナとアンテナを用いた信号処理のエキスパートである。また、張はTHz帯センサのデバイスの視点からの研究に取り組んできており、Prof. Hua Liは、THz帯デバイスからそのアプリケーションに関する研究に取り組んできている。以上のように、各研究者だけでは、THz帯のアナログからディジタル信号処理までの全体をカバーした研究に取り組むことは困難であるが、それぞれが複数の項目に関してエキスパートであることから、連携を密にとることで、THz帯のセンシングシステム及び無線通信システムそれぞれの全体の関係を考慮した真に最適なシステムを明らかにし、これまでにないシステム開発法を明らかにする。

  • 研究計画

    アンテナ及びアナログデバイス部のモデル化に主に取り組み、計算機による検証を可能とすることを目指す。また、梅林がオウル大学に在外研究でいることから、無線通信にかかわるメンバーはオウル大学において一度集結し、直接議論を行い、特に有馬とProf. Antti Tolliの連携の強化を試みる。一方で、Prof. Hua Liには来日して頂き、共同研究を効率的に進める準備を行う。

    【2023年度】

    与えられたアナログ及びデバイスのモデルに対し、それぞれの具体的なシナリオにおいて、より高性能なセンシング及び無線通信を達成するのに適した信号処理法を明らかにする。但し、ここでは、アンテナ、アナログデバイス、THzセンサ(ボロメータ)、そしてアンテナ信号処理、無線通信方式用のディジタル変調、センサ用の信号処理等を個別に検証し、次年度の総合検証に向けて準備を行う。

    無線通信の分野に関しては、Prof. Janne LehtomakiとProf. Antti Tolliに来日して頂き、アンテナ及びデバイスに対する信号処理の検討を進める。また、センサに関しては、実証実験等を行うことから、張がProf. Hua Liを訪問する予定である。

    THzのデバイスに関する専門的な情報は、張とProf. Hua Liから具体的に提供して頂き、その特性を考慮した適切な信号処理は、梅林、Prof. Janne Lehtomaki、Prof. Antti Tolliにより検討を進める予定である。

    【2024年度】

    最終年度は、無線通信及びセンサの分野において、システムの最適設計を行い、アナログデバイス部とディジタル信号処理部の連携による最適なシステムとそのパフォーマンスを明らかにする予定である。

代表者について

外国人研究者について

その他の研究者

有馬 卓司 (工学研究院・准教授) 
張 亜 (工学研究院・准教授) 

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