臼井 達哉
職位 | 准教授 |
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所属 | 農学研究院 |
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【ライフサイエンス】 臼井チーム
近年、生体組織をディッシュ上で三次元的に培養する方法として、オルガノイド培養法が開発された。オルガノイド培養法によって、生体組織の幹細胞を含む多様性や遺伝子発現プロファイルを再現できることが示され、がんや感染症を含めた様々な研究への応用が世界中で進められている。本研究ではこれまで様々な動物細胞由来の三次元培養作製で培った技術を応用することで、フェレット、爬虫類、小鳥などの伴侶動物や、ライオンをはじめとする動物園動物、チョウやダニなどの節足動物細胞を用いたオルガノイド培養法を確立し、病態解析やこれらの動物・植物を媒介する新規感染症の研究ツールとしての有用性を明らかにする。
①研究の学術的背景
近年、生体組織をディッシュ上で三次元的に培養する方法として、オルガノイド培養法が開発された(Sato et al., Nature. 2009)。オルガノイド培養法によって、生体組織の幹細胞を含む多様性や遺伝子発現プロファイルを再現できることが示され、がんや感染症を含めた様々な研究への応用が世界中で進められている。研究代表者はこれまでに、がんや生活習慣病を罹患した人や動物の組織や尿を用いて様々な三次元培養モデルを構築し、病態メカニズムの解明や、早期診断マーカー、新規治療薬の開発を目指した研究を行ってきた。しかしながら、犬猫以外の伴侶動物や動物園動物、昆虫などの節足動物を用いた三次元培養モデルの確立には至っていない。これらの培養モデルは様々な用途に応用可能であるため非常に重要な研究課題になり得るが、培養方法の確立に関する報告はほとんど存在しないため、本研究の立案に至った。
②研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか
本研究ではこれまで様々な動物細胞由来の三次元培養作製で培った技術を応用することで、フェレット、爬虫類、小鳥などの伴侶動物や、ライオンをはじめとする動物園動物、チョウやダニなどの節足動物細胞を用いたオルガノイド培養法を確立し、病態解析やこれらの動物・植物を媒介する新規感染症の研究ツールとしての有用性を明らかにする。
【2021年度】
初年度は様々な非モデル生物のオルガノイドを研究チーム内のメンバーでそれぞれ作製し、最適な培養法を同定する。
・エキゾチックアニマル(フェレット、ヘビ、ハムスター、インコ、トカゲなど)由来のがんオルガノイドを作製する。
・動物園動物からコウモリをはじめ、ワニなどの爬虫類を含めたさまざまな三次元培養モデルを作製する。
・経済的あるいは環境保全上問題となる節足動物としてダニ、ザリガニ、チョウなどの中腸腺から幹細胞を分離・培養し、臼井とともに最適な培養法を探索する。
【2022年度】
次年度以降は、培養法の確立に成功したオルガノイドに焦点を絞り、遺伝子解析や感染実験、オーガンオンチップシステムへの応用などのプロジェクトを進める。エキゾチックアニマルから作製したオルガノイドに関しては、病理組織学特徴を明らかにするとともに、遺伝子発現やコピー数、変異などを解析することで詳細な病態メカニズムを明らかにする。
さらに、伴侶動物から検出されるウイルス、細菌および真菌を分離・培養し、作製したオルガノイドへの感染実験によって各オルガノイドにおける詳細な感染メカニズムを明らかにし、生体を用いた感染実験の代替となる新規in vitro解析ツールを確立する。
【2023年度】
動物園動物由来のオルガノイドでは、各動物オルガノイドの感染実験の結果を解析し、感染実験モデルとしての有用性を検証する。特に、コウモリは新型コロナウイルスやエボラ出血熱ウイルスなどさまざまな感染症の媒介動物と知られており、生体内でのウイルス防御機構が注目されている。オルガノイドを作製し、オーガンオンチップシステムで感染実験を実施することでコウモリなどの野生動物がウイルスの無症状キャリアーとしてウイルスに対する耐性を示す詳細な制御機構を明らかにする。
職位 | 准教授 |
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所属 | 農学研究院 |
URL |
所属研究機関 | キングファイサル大学 (サウジアラビア) |
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部門 | College of Veterinary Medicine |
職位 | 教授 |
URL | https://scholar.google.com/citations?user=BOND2pcAAAAJ&hl=en |
所属研究機関 | マンチェスター大学 (英国) |
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部門 | Division of Cardiovascular Sciences |
職位 | シニアリサーチフェロー |
URL | https://scholar.google.com/citations?user=nIqPksEAAAAJ&hl=en |
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