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ライフサイエンス分野グループ (2020年度活動終了) ※終了時の情報を記載しています

  • 新規抗ウイルス剤開発のための基礎的研究

    研究概要

    私たちは家畜や伴侶動物の病原体を網羅的に検出するシステムを構築するとともに、これらの動物から未知のウイルスの検出を試みています。私たちの目的のひとつには太古のウイルスを発見することがあります。琥珀の中の昆虫からDNAを抽出し次世代型シーケンサーを用いて塩基配列を解析しています。私たちはまたコロナウイルスが細胞に感染したときに起こる現象を分子生物学的な手法で研究しています。コロナウイルスの転写を制御するために、mRNAを分解する経路がどのようにコロナウイルスのmRNAを認識し、コロナウイルスのヌクレオキャプシド蛋白質がどのようにその分解を回避するかについて研究しています。このメカニズムを明らかにすることにより、ウイルスのmRNAを分解しやすくする薬の開発につながる可能性があります。また、コロナウイルスの進化を明らかにするためにウイルス間で起こるゲノムの組換えについての研究を行っています。さらに、新型コロナウイルスの非構造蛋白質の複製における役割を研究していく予定です。これらの研究は感染拡大が深刻な問題になっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する薬の開発においても多大な貢献ができると考えております。

    メンバー

    牧野 伸治(テキサス大学ガルベストン 医学校・教授, 米国)
    水谷 哲也(農学研究院・教授)

  • 新規アミロイドオリゴマー検出、除去技術の開発

    研究概要

    アルツハイマー病などの神経変性疾患は神経細胞内部に異常に折りたたまれたタンパク質凝集体であるアミロイド線維が沈着することで発症する。近年、アミロイド線維形成の中間体である可溶性アミロイドオリゴマーが線維状凝集体よりも毒性が高いことが明らかとなり、その検出と除去技術の開発が重要となっている。Ståhl教授らが開発したAffibodyは、サイズがわずか58アミノ酸のタンパク質を足場として様々な分子に結合する抗体Mimic分子である。長年にわたってさまざまな用途で研究されてきており、500以上の研究が発表されている。本研究では、高い毒性を示す可溶性アミロイドオリゴマーに特異的に結合するAffibodyの開発を行う。可溶性アミロイドオリゴマーの検出技術の開発と同時に、アミロイド分子を発現する細胞で発現することで、アミロイド形成や除去への効果を調べる。さらに、Affibodyにアミロイドオリゴマー分解を有する分子シャペロンと融合することで、アミロイドオリゴマー分解促進効果を解析する。

    メンバー

    Stefan Ståhl (スウェーデン王立工科大学・教授、スウェーデン)
    養王田 正文 (工学研究院・教授)

  • 嗅覚機構の解明と嗅覚センサーの開発

    研究概要

    生物は環境中の匂いから様々な情報を得て生活しています。犯罪捜査での警察犬や空港で麻薬探知犬が活躍しているように、動物の嗅覚は非常に高感度・高識別性を有し、嗅覚に勝る匂い検出装置は未だに開発されていません。鼻腔内の上皮にある嗅覚神経細胞には嗅覚受容体という膜タンパク質が発現しており、センサーとして働いています。嗅覚受容体は生物種ごとに数百種類以上存在し、匂いへの応答性は個々に違います。我々は、嗅覚受容体の匂い応答機構の解明と嗅覚受容体を用いた嗅覚センサーの開発を目的に研究を行っています。嗅覚受容体は膜タンパク質であり、研究が極めて難しいタンパク質です。我々は、嗅覚受容体の能解的発現技術を開発し、その構造と機能の解明を進めています。また、気相から匂い分子にさらされた際の複数の嗅覚受容体の応答パターンを一度に解析することで、化学構造の非常に近い匂い分子の識別に成功しています。この技術は、嗅覚を模倣した匂いセンサー開発への応用が期待されています。

    メンバー

    松波 宏明(デューク大学School of Medicine,・教授、 米国)
    養王田 正文(工学研究院・教授)
    亀田 正治(工学研究院・教授)
    福谷 洋介(工学研究院・助教)

  • マウス筋骨格系組織に対する微小重力及び加重力の影響

    研究概要

    宇宙の微小重力下における長期滞在は、微小重力のために全身の骨量減少および筋萎縮を引き起こす。これら回避には、運動などの力学的負荷が有用であることが示唆されている。
    Inada-Itoh研究チームでは、筋骨格系に対する加重力および微小重力の影響を国際宇宙ステーション(きぼう)及び地上実験により進めてきた。微小重力環境下、または、2G加重力環境下にてマウスを飼育した結果、1Gの通常飼育と比して、微小重力では骨量や筋量が減少し、2G飼育マウスでは増加した(図1.)。遺伝子発現を解析したところ、加重力環境下の骨組織においては、BMP2など骨形成系遺伝子の発現上昇が認められ、筋組織においては、筋形成遺伝子の発現上昇および筋分解に関わるオートファジー関連遺伝子の発現減少が認められた。現在、これらの研究成果を発展させ、重力による筋骨格系の量的な維持に相関する分子メカニズムを解析している。

    メンバー

    Yoshifumi Itoh(オックスフォード大学ケネディーリウマチ研究所・准教授、英国)
    稲田 全規(工学研究院・准教授)

  • 破骨細胞分化と骨吸収における天然由来化合物の影響

    研究概要

    天然由来因子であるβクリプトキサンチン(β-cry)はカロテノイドの一種であり、果実や野菜に含まれる。Inada-Grundler研究チームでは、β-cryが歯周病原因因子であるリポ多糖(LPS)により引き起こされる歯槽骨破壊を抑制することを明らかとしてきた。また、骨芽細胞を用いた実験系において、β-cryがLPS誘導性のNFκB(核内因子κB)経路を阻害することで、PGE2産生を抑制することを見出した(図2)。そこで、作用機序を解明するため、分子間結合シミュレーションを行ったところ、NFκB経路に関与するIKKのATP結合領域に直接結合する可能性を示唆した。IKK活性化測定では、β-cryはIKK活性を阻害するが、ATP濃度依存的にその効果が減弱されることが示された。現在、これら結果を発展させ、複数の天然由来因子の試験による、LPS誘導性骨破壊への抑制効果を解析している。

    メンバー

    Florian Grundler(ボン大学・教授、ドイツ)
    稲田 全規(東京農工大学工学部・准教授)

  • 新しい抗生物質、抗菌剤、標的選択的癌治療法の開発

    研究概要

    我々は,生体内でバクテリアを検出し、画像化するための新しい二機能性蛍光・化学発光プローブを開発している。この酵素基質を基に設計した化学発光プローブは、酵素によって発光することで細胞内のリアルタイムイメージングに使用できる。また、細菌株同定のための新規の多機能蛍光プローブを設計している。これらのプローブは病原体や病原菌微生物叢の相互作用や、特定の種類の細菌をリアルタイムで検出するためin vivoイメージングへの応用を目的としている。
    さらに、二次代謝産物を探索するための選択的化学標識法を質量分析やバイオインフォマティクスと融合的に活用する手法を開発する。取り分け、従来は合成が困難であった二次代謝産物を検出することを目指している。現在、NRP(非リボソームペプチド)のユビキタスな活性芳香族および非極性モチーフに対する化学標識法を開発している。

    メンバー

    Tsung-Shing Andrew Wang(国立台湾大学・准教授)
    黒田裕(工学研究院・教授)

代表者について

外国人研究者について

牧野 伸治

所属研究機関 テキサス大学ガルベストン 医学校(米国)
部門 Department of Microbiology and Immunology
職位 教授
URL

Stefan Ståhl

所属研究機関 スウェーデン王立工科大学 (スウェーデン)
部門 Division of Protein Engineering
職位 教授
URL

松波 宏明

所属研究機関 デューク大学 School of Medicine (米国)
部門 Department of Molecular Genetics and Microbiology (MGM)
職位 教授
URL

伊藤 義文

所属研究機関 オックスフォード大学 (英国)
部門 Kennedy Institute of Rheumatology
職位 准教授
URL

Florian Grundler 

所属研究機関 ボン大学 (ドイツ)
部門 Molecular Phytomedicine
職位 教授
URL

Tsung-Shing Andrew Wang

所属研究機関 National Taiwan University
部門 Department of Chemistry
職位 准教授
URL

その他の研究者

養王田 正文 (工学研究院・教授)
亀田 正治(工学研究院・教授)
金子 敬一 (工学研究院・教授)
稲田 全規 (工学研究院・准教授)
清水 大雅 (工学研究院・准教授)
黒田 裕 (工学研究院 教授)
夏 恒 (工学研究院 教授)
Nguyen Tuan Hung (グローバルイノベーション研究院・特任助教)
李国棟 (グローバルイノベーション研究院・特任助教)
早乙女 友視 (グローバルイノベーション研究院・特任助教) ( – 2020.11.30)

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