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【2024.3.21 GIR公開セミナー報告】Dr. Rowan F. Sage “Climate change and the evolution of C4 and CAM photosynthesis”

イベント報告
2024.3.25

◆講演者:Dr. Rowan F. Sage (カナダ、トロント大学 、教授) 
◆講演タイトル:”Climate change and the evolution of C4 and CAM photosynthesis”
◆日時:2024年3月21日(木)(16:00~17:30)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス6号館 2階 209セミナー室
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・農学研究院 安達 俊輔(グローバルイノベーション研究院 食料分野 福原チーム
開催案内
◆参加人数:23人 (10人程度オンライン参加)

講演概要

Rowan. F. Sage先生をお迎えし、セミナーを開催した。Sage先生は、植物生理学、光合成進化系統学、植物形態学を専門としており、現在、トロント大学の生態進化生物学部にて30年以上教鞭をとっておられる。2022年からは1887年発刊の植物学雑誌Annals of BotanyのEditor in Chiefを務めている。

今回のセミナーでは気候変動とともにC4植物およびCAM植物の光合成の進化についてご解説いただいた.初めに、Ⅽ3植物、C4植物、CAM植物が持つ光合成系の基礎について説明してくださり、その後に、なぜ、CAM植物とC4植物が進化してきたのかについて解説してくださった。そしてCAM植物およびC4植物の進化につながった要因は「大気中のCO₂濃度が低くなったから」であるという証拠のいくつかを明快に説明された。過去3000万年前から大気中のCO₂濃度が減少したことにより、CAM植物およびC4植物にとって、好適な環境条件になり、それぞれの属するクレードの数が増加した。ここで、近年の温暖化に伴う高温/高CO₂条件下ではCAM植物の利点は保持されるのか、今後進化する可能性があるのかなどについて、出席者との間で盛んな議論が行われた。地球上の植生がどのようにして育まれ、そして地球環境の変化に伴ってどのように変わっていくのか、ということを科学的知見に基づき大局的に俯瞰するという氏の研究アプローチは、本セミナーに参加した学生・教員にとって大変参考になるものであった。

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