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【2024.3.11 GIR公開セミナー報告】Dr. Stefano Passerini “Electrode/Electrolyte Interlayers Enabling Solid State Alkali Metal Batteries”

イベント報告
2024.3.18

◆講演者:Dr. Stefano Passerini (ドイツ、Helmholtz Institute Ulm、上級研究員) 
◆講演タイトル:”Electrode/Electrolyte Interlayers Enabling Solid State Alkali Metal Batteries”
◆日時:2024年3月11日(月)(15:00~16:30)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 140周年記念会館(エリプス) 3階 多目的ホール
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院  富永 洋一(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 富永チーム
開催案内
◆参加人数:48人

講演概要

 富永チームでは、Karlsruhe Institute of Technology / Helmholtz Institute Ulm(ドイツ)のStefano Passerini先生をお迎えし、公開セミナーを開催した。Passerini先生は、特にイオン液体など電気化学材料の研究開発、およびそれらの電池への応用の分野において世界的な研究者である。Passerini先生は現在、上記所属先のシニアフェローとして、Liイオン電池および次世代型二次電池を中心とするエネルギーデバイス向けの材料や製造プロセスの革新に向け、様々な研究プロジェクトを統括されている。最近ではNa二次電池など元素戦略や環境適合性の観点から重要視される次世代型二次電池向け材料の研究開発や、バイポーラ二次電池など固体電解質を活用した新構造二次電池の製造プロセス開発に注力されている。また最近では、Journal of Power Sources誌のEditor-in-Chiefを務められている。
 本セミナーでは、”Electrode/Electrolyte Interlayers Enabling Solid State Alkali Metal Batteries”の題目で、エネルギー材料分野の最先端を走ってこられた視点から、熱意にあふれるご講演を実施していただいた。現在のLiイオン電池では、負極としてLi金属自体ではなく、Liイオンの状態で充放電できる黒鉛が用いられる。Li金属は酸化還元電位が低く高電圧化が可能で理論容量も極めて大きいため理想的であるが、充電時にLi金属が樹枝状に析出し劣化や短絡の原因となるLiデンドライト発生の問題がある。そこで固体電解質を用いることで、Liデンドライトの発生を抑制し、発火などの危険も最低限とする技術に注目が集まっている。本講演では最新の研究成果として、化学構造が最適化されたイオン液体やポリマーからなる中間層をLi金属電極/固体電解質界面に構築し電池性能を大幅に改善させた事例について紹介があった。またLiだけでなくNaからなる次世代型二次電池への当技術の応用についても説明がなされた。終了後会場からは、技術面に加え、長年の教育やプロジェクト統括のご経験に関する質疑応答もあり、大変盛況なセミナーとなった。

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