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◆講演者:Dr. Bengang Xing (シンガポール、南洋理工大学 、教授)(香港、香港理工大学、教授)
◆講演タイトル:“on Click Chemistry”
◆日時:2025年5月15日(木)(10:30~12:00)
◆会場:オンライン
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 櫻井 香里(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 櫻井チーム)
◆参加人数:27人
講演概要
Bengang Xing先生をオンラインにてお迎えし、GIR 公開セミナーを開催した。今回は生命工学専攻で大学院生向けに開講されている「生命有機化学特論」および「生命分子反応特論」の講義の一環としても開催した。Xing 先生はケミカルバイオロジー分野の中でも特にバイオイメージングを専門とし、診断技術やtheranostics技術の開発において先導的な研究者である。2025 年からはHong Kong Polyltechnic University, Department of Chemistryの教授にも就任された。前回3月の講演ではバイオイメージング技術をテーマとして、その応用研究例について解説いただいた。今回はバイオイメージングをはじめとした多様な分野で応用展開が見られているケミカルバイオロジー基盤技術のクリックケミストリーについて、基礎から医療応用への展開までを入門者向けに解説していただいた。
クリックケミストリーは、2022年のノーベル化学賞のトピックとして知られるが、2000年代初頭にシャープレス教授らによって提唱された概念である。このアプローチの特徴は、モジュール化され、範囲が広く、収率が高く、副生成物を最小限に抑えることができる反応である。過去20年の間に、クリックケミストリーは概念的な枠組みから、生物医学研究や応用において重要な意味を持つ強力なツールへと発展してきた。このチュートリアルでは、前半ではクリックコンジュゲーションの歴史的な発展を紹介し、公判ではその有用性を拡大した重要なマイルストーンと技術革新をもたらした研究事例についてお話しいただいた。また、複雑な生物学的環境における正確な修飾を可能にする標識化とコンジュゲーションについて、クリックコンジュゲーションとそのバイオ直交化学への広範な適応について概説していただいた。最後に、クリックバイオオルトゴナルケミストリーが創薬、イメージング、診断、治療デリバリーシステムに与える変革的影響についての展望をお示しいただいた。
以上よりケミカルバイオロジーの新規な分子設計とin vivoでの選択性をもつ技術の開発を通して、将来の精密医療と次世代治療開発への展望が示された。
公開セミナーには主に学生が参加し、ケミカルバイオロジーの基盤技術について、そのルーツから概念的及び実践的な発展の歴史と今後の可能性について学べる大変有意義なセミナーであった。
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