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イベント報告

【2019.09.06 GIR公開セミナー報告】”Biotic roles in soil structural dynamics: exploring underground architecture”

2019.9.13

講演者  Dr. Karl Ritz (Biotic roles in soil structural dynamics: exploring underground architecture)

◆日時:2019年9月6日(金)

◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス BASE本館1階 第三講義室

◆言語:英語

◆開催担当者:豊田 剛己教授 (グローバルイノベーション研究院  食料分野  豊田チーム)

◆参加人数: 27名

開催案内

講演概要

Karl Ritz先生をお迎えして、GIR公開セミナーを開催した。Ritz先生は、土壌生態学を専門とされており、近年は、土壌学分野でもっともIFの高いQ1ジャーナルSoil Biology & Biochemistry誌の編集委員長を務めるなど、土壌生物学に関する世界のトップリーダーである。今回のセミナーでは、タイトルにあるように、土壌構造と生物の役割について解説頂いた。土壌構造の構築者といえばミミズが有名であるため、農学部自主ゼミナールのミミズコンポスト管理局から4名の学生さん(内1名は早大生)も参加した。学外からは東京大学農学部の助教の先生も参加された。

土壌の役割、土壌構造における生物の役割、土壌の健康、植物の役割について概説され、土壌機能を考える上で基礎となるのは土壌炭素であると強調された。土壌の機能とは、生物の生息場所であり、植物の根が生育する培地となり、水分を保持し空気を供給することの主に3つであり、これらは農業機械などによる圧密や水食・風食により大きな影響を受ける。その影響の受け方を、X線トモグラフィーで評価するという最先端の技術とデータが紹介された。

土壌構造を改良・維持していくうえで、植物の根の影響は大きく、雑草や緑肥などを生育させることで裸地にしておく期間を短くするくこと、作物の中には、圧密を受けた土壌で生育しづらい植物(例えばベッチ)と良好に生育する植物(オーツ麦)があり、圧密耐性植物を作付け体系に組み込むことが重要であることを強調された。日本でも圧密は生産阻害要因の1つして問題視され、心土破砕などで改善されているが、これだと更なる圧密が起き、また、毎年のように心土破砕を行う必要があるため、持続的ではないと断言された。

近年のメタデータ解析により、ミミズが生育している土壌では作物の生産性が25%増加することが明らかにされ、それは、土壌構造の改善と土壌中の養分供給能が向上することが主要な要因であるという。そのため、英国ではミミズの生育場所を確保するためにも、不耕起あるいは最少耕起農法が主流になりつつあるという。

もっとも聴衆にインパクトを与えたものは、土壌孔隙の3次元CTスキャン像である。孔隙の大小、つながり具合を動画により実感できた。

講演会の最後には、聴衆からの質問が多数あり、教員のみならず多くの学生に刺激を与える非常に有意義なセミナーであった。

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