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2019.7.22
講演者 Dr. Hisashi Koiwa (Professor, Texas A&M University, U.S.A.)
◆日時:2019年7月9日(火)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 2号館 1階 多目的講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:福原敏行 教授 (グローバルイノベーション研究院 食料分野グループ)
◆参加人数: 28名
◆開催案内
講演概要
GIR食料分野グループでは、Hisashi Koiwa教授(Texas A&M University,米国)をお迎えして、2019年7月9日に公開セミナーを開催しました。
Koiwa教授は、モデル植物シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を研究対象として、植物の環境ストレス応答機構、特に塩ストレス応答機構について最先端の研究を展開されてきました。その研究過程で、植物の塩ストレス耐性に関与する遺伝子として単離した遺伝子KORRIGAN1がセルロース合成酵素と類似したタンパク質をコードすることを見出し、植物の塩ストレス耐性機構とセルロース生合成・細胞壁合成機構が密接に関係していることを提唱され、植物の塩ストレス耐性機構や細胞壁合成機構に関する多数の研究実績があります。GIR佐藤(旧船田)チームは、植物バイオマス利用のための細胞壁分子構造解析を研究目標として掲げており、Koiwa教授との国際共同研究が期待されます。
本セミナーの前半では、植物の正常な発生やストレス応答・耐性におけるタンパク質の糖鎖修飾の重要性を、シロイヌナズナの糖鎖修飾酵素遺伝子変異体を用いた分子遺伝学的解析から示されました。後半では、KORRIGAN1タンパク質の糖鎖修飾と細胞内局在の関係、および細胞内局在とセルロース合成・細胞壁合成、環境ストレス耐性の関係について、KORRIGAN1遺伝子の変異体と糖鎖修飾特異的薬剤を用いたケミカルスクリーニングを用いた分子遺伝学的解析、およびtandem fluorescent timer technologyを用いた細胞生物学的解析手法を用いた研究を中心に、最新の研究成果を紹介いただきました。植物の塩ストレス耐性におけるKORRIGAN1タンパク質の糖鎖修飾とセルロース合成の重要性が示されました。
会場からは、KORRIGAN1タンパク質の糖鎖修飾変異体と細胞内局在の関係、セルロース生合成・細胞壁合成と塩ストレス耐性の関係などに関して活発な質問があり、今後のKoiwa教授との国際共同研究の推進に向けて有意義な公開セミナーとなりました。
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