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イベント報告

【2019.07.03 GIR公開セミナー報告】”Endocrine mechanisms of sexual plasticity in fishes”

2019.7.16

講演者 Dr. John Godwin (Professor, North Carolina State University, U.S.A.)

◆日時:2019年7月3日(水)

◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 2号館 1階 多目的講義室

◆言語:英語

◆開催担当者:渡辺元 教授 (グローバルイノベーション研究院  食料分野  渡辺チーム)

◆参加人数: 17名

開催案内

講演概要

John Godwin先生をお迎えして、GIR公開セミナー“Endocrine mechanisms of sexual plasticity in fishes”を開催した。本学大学院共同獣医学専攻および岐阜大学連合獣医学研究科の学生を中心に、共同獣医学科の学生やICU、明治大学からも参加した。
内容は、魚類の性分化メカニズムの多様性、特に柔軟性について最新の知見を交えて紹介していただき、大変興味深いものであった。
人を含む哺乳動物の性決定は、性染色体の組み合わせによるが、魚類では社会的順位や温度など、環境要因によって、性が決まるものが多く、また、一度雄あるいは雌に性分化した後にでさえ、環境要因によって性転換する柔軟性を持つものがいる。講演ではGodwin先生が研究フィールドにしている大西洋のCaribbean bluehead wrasseとsouthern flounderを用いた研究を紹介しながら、魚類における性分化に環境要因がどのように影響するかについて、多くの写真を交えてわかりやすく紹介していただいた。
Caribbean bluehead wrasseは定住性が強く、野外における個体ごとの継続的観察が可能で、また、外科的処置をした個体を野外で継続観察できるなど、多くの利点を持った研究対象であること、southern flounderでは水槽内の社会順位によるストレスや、高温によるストレスが、副腎からのコルチゾル分泌を高め、その結果、性腺におけるステロイド産生が影響を受け、性腺のリモデリングが起きることなど、大変興味深い内容であった。
講演会最後には、ICUの小林牧人教授も加わり、マイクロプラスチックなどにより環境中に放出され蓄積されている化学物質による内分泌撹乱について、性分化と環境要因との関連性の観点も含めて総合討論を行った。学生からの質問が多数あり、教員のみならず多くの大学院学生に刺激を与える非常に有意義なセミナーであった。

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