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2019.5.28
講演者 Dr. Dr. Roland Neil Perry (Professor, University of Hertfordshire, U.K.)
◆日時:2019年5月20日(月)
◆会場: 東京農工大学 小金井キャンパス BASE本館1階会議室
◆言語:英語
◆開催担当者:豊田鋼己 教授 (グローバルイノベーション研究院 食料分野 豊田チーム)
◆参加人数: 25名
◆開催案内
講演概要
Nematology誌の編集委員長を15年にわたり務めるRoland Perry先生より、学術論文の投稿に際して重要となる、i)論文の構成、ii)剽窃・捏造、iii)投稿後の論文の流れ、を中心に講義を受けた。
論文の構成では、アブストラクト(サマリー)、イントロダクション、材料および方法、結果、考察、引用文献の主要6項目において、何を書くべきで、何をしてはいけないのか、について概説を受けた。剽窃・捏造では、二文以上他の文献から勝手に引用することは許されないこと、他の文献から引用する場合には適宜、フレーズの順番を入れ替える必要があり、引用元を明記する必要があると指導を受けた。投稿後の流れでは、担当エディターによりアクセプトされたのちは、Managing EditorおよびProduction Editorが担当し、英文として体裁、各雑誌に特有なスタイル、見栄えの良い図表の割り付けなどのステップがあることが紹介された。
こうした論文作成技術に関する1時間半の講義のあとには、Discussionタイムとして、すべての参加者から質問とコメントを受け、各参加者の疑問点に丁寧にこたえて頂くとともに、適宜解説頂いた。印象的だったコメントは、「Me too」研究は避け独創性を目指した研究を心がけるという研究姿勢が重要だと説かれたこと、論文執筆に際して重要なことはEditorおよび査読者をHappyにするという姿勢であった。
学生が論文作成の手順について尋ねた際には、まずタイトルとアブストラクト、ついで結果の記載がもっともタフで優先され、結果が書ければ、それに合わせて材料および方法が比較的容易に書け、Discussionは結果の解釈を述べればよいと回答された。特にあまり論文を書きなれていない学生の場合、結果を詰め込み過ぎるため、すべての結果を述べる必要はないこと、重要な結果を見間違えないことが大切であると説かれた。
誰が査読をするのか、という問いには、世界中の関連研究者が査読する可能性があるものの、日本からの投稿では日本人が査読することは稀で、アメリカからの論文はアメリカ以外の研究者が査読することを多いと回答された。参加者すべてが英語で質問したことに対し、Perry先生は非常に満足されていたと同時に、多くの学生が論文作成力および英語力の向上に大いに刺激を受けた非常に有意義なセミナー
であった。
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