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深層学習と数理モデリングの融合によるスモールデータAI

【ライフサイエンス】 田中聡久チーム

  • 研究概要

    深層学習をはじめとしたAI技術は,データの質が高い場合には非常に有効である.つまり,ビッグデータの4V(量,種類,速度,信頼性)が確保されたデータであれば,現代の計算機を用いることで「それなりに」うまく解析できることが知られている.一方で,感染症の社会ネットワークを通じた爆発的な伝播や,脳波やfMRIなどの生体情報,IoTセンサから得られたセンサデータなどは,深層学習が苦手とする一期一会のスモールデータである.ソサエティ5.0で目標とするサイバー空間(データ解析を行う領域)とフィジカル空間(センシングを行う領域)の融合を達成するためには,これらスモールデータから知識発見や有用な情報抽出を行う技術が必須である.上記背景に基づき,本研究では,数理的なモデリングと深層学習を統合したスモールデータAIの研究開発に取り組む.

  • 研究目的

    本研究では,数理モデリングと深層学習を統合することでスモールデータAIを実現させ,生体情報処理とIoTセンサデータへと応用することによりその幅広い有用性を示す.解析・応用それぞれの分野においての強みを活かし,特任教授を含めた国際的研究チーム内で活発に議論を進めることで,信頼性・頑健性を持つAI技術の研究開発に取り組む.

    解析班は感染症・生体・IoTデータのためのデータ解析に対して革新的アルゴリズムを構築するための理論的基盤の整備を行う.応用班は画像診断やブレイン・コンピュータ・インタフェースなどの生体情報処理技術や,IoTを利用したロボティクス技術の加速を図る.

    スモールデータAIの一種は様々な領域で別個に行われている.一方で,多種の研究を理論的に体系だって研究をまとめる試みは現在までにほとんど行われていない.これら別個に行われている研究は,端的に言えば,スモールデータAIという一つの山を別の登山口から登っていることにほかならない.本研究はアルゴリズムと実応用の両面から一つの山を俯瞰するという試みであり,それぞれの応用において有用のみならず,信号処理・機械学習に新しい視点を与える点で非常に重要である.

  • 研究計画

    スモールデータAI技術を研究する【解析班】と,スモールデータAIを生体データおよびIoTデータへと応用する【応用班】が相互に連携しながら研究を行う.【解析班】がスモールデータAIの理論・アルゴリズムの研究と作成を行い,【応用班】が解析班で得られたアルゴリズムを生体情報処理,ロボティクス,IoTへと応用する.応用班で得られた実課題を解析班へフィードバックすることにより,汎用的でありながら様々な応用へ柔軟に対処可能な理論の構築を目指す.解析班・応用班それぞれの特任教授を適切な時期に招聘することにより,螺旋状の研究の進展を図る.

    ・解析班(入口技術):Ortega S教授,Cheung 特任教授,田中(雄)准教授,田中(聡)教授
      感染症・生体・IoTデータのためのデータ解析に対して革新的アルゴリズムを構築する.

    ・応用班(出口技術):Cichocki S教授,Lotte特任教授,清水教授,近藤教授,石田教授
      画像診断やブレイン・コンピュータ・インタフェースなどの生体情報処理技術や,IoTを利用したロボティクス技術の加速を図る.

    信号処理を基盤に置く機械学習(AI)技術は本学の得意とするところであり,本分野で世界的に著名な4教授を招聘する.以前より共同研究を実施している生体情報工学,AIの関連分野の教員と協働することで,革新的な医療支援技術およびロボティクス技術の確立が期待できる.

代表者について

外国人研究者について

その他の研究者

近藤 敏之  (工学研究院・教授)
清水 昭伸  (工学研究院・教授)
石田 寛  (工学研究院・教授)

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