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生態系サービスのシナジーとトレードオフを配慮した生物多様性および生態系保全に関する研究

【食料】 小池チーム

  • 研究概要

    本研究チームは森林、里地を中心とする生態系における生態系サービスの持続的な利用と生物多様性の保全に配慮した生態系管理に関する基礎的・応用的研究を推進することを目的とする。具体的には、各生態系における様々な生態系サービスと生物多様性との関係や木材需要の将来予測に基づく森林資源利用と気候変動への影響を、多様な生物の生態や生態系サービスを生態学的・社会学的手法により解析するとともに、人間活動が生態系サービスや生物多様性に与える影響などのメカニズムを明らかにすることで、健全な生態系の維持とそこでの生物多様性保全への貢献を目指す。

  • 研究目的

    人類は自然資源の利用、防災など生態系から利益を得ており、それらは生態系サービス(ES)と呼ばれる。一般的には、生物多様性(BD)が豊かであるほど生態系サービスが向上し、将来にわたってESを受け続けていくためには、BDを保全していくことが重要である。一方、複数のES間では、あるESの向上を追求した場合、他のESが正の相乗効果によって向上する場合(シナジー)と、他のESは低下する場合(トレードオフ)がある。また、過剰なESの利用はBDに負の影響を与えることもある。そのため、生物多様性を保全しつつ、ESの各種のバランスをとりながら受け続けていくための、生態系の管理とESの授受が世界的に求められている。

    ES間のシナジー・トレードオフの関係やBDとの関係は、複雑でまだ解明されていない部分も多くあるが、本研究チームでは、これまでの実績を踏まえ主に2つの野外生態系(森林生態系、里地生態系)を対象に、そこでの生物多様性の保全とES各種、特に供給サービスや調整サービスのシナジー・トレードオフに大きく影響する課題を抽出し、その解決に向けた調査・研究を推進する。具体的には、人間活動(人間活動の低下、観光、木材の利用、保全に関わる資源(人・予算)の制約)や自然現象が生物多様性やESに及ぼす影響やES間のバランスに影響する要因を、様々な生物種群やESを対象に、その実態を調査するとともに、今後の持続的なESの確保と生物多様性の保全を進める際の課題の抽出を行い、具体的な生態系の管理手法の検討を行うことを目的とする。

  • 研究計画

    本研究チームでは、主に森林生態系と里地生態系を対象に、生物多様性およびESに関する調査を実施する。さらに、各フィールドで人間活動や自然現象が生物多様性やES間のバランスに及ぼす課題を抽出し、その実態の影響評価を行うとともに、今後の適切な生態系の管理に向けた対策の提案の発信を行う。

    本研究チームでは、持続的なESの利用と生態系の保全に向けた課題として、①森林生態系の各ESの持続的な利用とESに影響する各種要因の検討、②草原生態系を中心としESを支えるBDの管理・保全策の検討、③自然資源の利用、特に木材需要の将来予測に基づく森林資源利用と気候変動への影響、の3つを対象とする。具体的には

    森林生態系のESの評価と各種の影響の評価
    森林生態系の調整サービス(種子散布、物質循環、花粉媒介)や木材生産などの供給サービスに与える人間活動及び自然現象に注目する。具体的には、個体数や分布が増加している大型哺乳類や人間活動の低下がESに与える直接的、間接的影響の実態を明らかにする。

    里地生態系を中心としESを支えるBDの管理・保全策の検
    全国スケールの長期モニタリングデータと、各モニタリング地点の生態系管理状況の記録を統合し、分析することで、里地生態系におけるBDを長期的に維持するうえで有効な管理方策および管理体制を明らかにする。分析対象は、多分類群とし、有効な管理方策の分類群による一致・不一致も明らかにする。また、類似する海外のデータセットを探索し、利用可能なデータセットが得られれば、同様の枠組みで分析を行い、有効な管理策について比較を行うとともに、その都市化がESに与える影響も明らかにする。

    木材需要の将来予測に基づく森林資源利用と気候変動への影響
    日本および世界各国における人間の社会経済活動に伴う木材需要の将来予測を行う。特に、木材の主な利用先として建築、土木、紙、エネルギーに着目し、それらの需要・政策動向の調査を行い、将来予測に反映させる。

代表者について

外国人研究者について

天野 達也

所属研究機関 クイーンズランド大学 (オーストラリア)
部門 School of Biological Science
職位 リサーチカウンシル・ フューチャーフェロー
URL

https://sites.google.com/site/amatatsu830jp/

Chun Sheng Goh

所属研究機関 サンウェイ大学 (マレーシア)
部門 Jeffrey Sachs Center on Sustainable Development (JSC),
職位 副所長
URL

https://scholar.harvard.edu/csgoh

その他の研究者

赤坂 宗光 (農学研究院・准教授)
加用 千裕 (農学研究院・准教授)
長沼 知子 (グローバルイノベーション研究院・特任助教)

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