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地球環境変動で生じる養分欠乏や環境ストレス下でも最大収量を確保する生物間相互作用を利用した栽培技術の解明

【食料】 大津チーム (2024年度活動終了) ※終了時の情報を記載しています

  • 研究概要

    本研究チームでは、地球が直面している環境変動により生じるストレス下でも作物の最大収量を確保するための栽培技術を解明することを目的とする。光合成活性を上げ充分な収量を得るためには、生育期間中に多量の窒素を吸収する必要がある。化学窒素肥料はその製造に多大なエネルギーを消費し、有限の資源である化石燃料を原料とすることから、その低減が必要である。そこで持続可能な方法で目的を達成するために、植物ー微生物相互作用、育種、有機農業、IOT技術を用いたスマート農業に着目する。ストレス環境に適応できる生育促進微生物の単離やメカニズム解析、有機農業に適した品種開発、IOT技術を利用した効率的な施肥法の開発について、海外研究者と協力して取り組む。

  • 研究目的

    ダイズは植物タンパク源として世界中で注目されているが、栽培歴が浅い地域では収量が少ない。近年欧州ではダイズ生産量及び栽培面積が倍増しているが、ドイツ北部周辺の中央欧州ではダイズ栽培歴が浅いことから適切な根粒菌が少なく、収量が低い。そこで、欧州環境に適した根粒菌を単離しバイオ肥料として活用させることを目指す。欧州のダイズ圃場では硫黄欠乏と水不足が問題となっており、一方日本では、特に水田転換畑におけるダイズ栽培で、排水性の悪さや鍬床層における根の伸長阻害が問題となっている。本研究では、ZALFやHTWDと協力し、異なる圃場環境に適応したダイズ栽培法の改善を、土壌微生物の機能を利用しながら行う。
    持続可能な農業のためには有機農業の普及が重要である。本研究では、CIMMITやトロント大学と協力し、有機農業など環境保全型農業に適したイネ、コムギ品種の生理機能解明、環境ストレス耐性の品種特性と品種開発を行う。
    園芸作物ではブルーベリーの研究を農工大が日本において最も古くから行っているが、このブルーベリーが好む酸性土壌に耐性な有用微生物を単離解析することを目指す。
    農工大では水稲をはじめとする作物の生育を促進するバチルス属 TUAT1株を含むバイオ肥料が開発されてきた。本研究では、 TUAT1株やその他の作物生育促進微生物について植物―微生物相互作用の分子機構の解明や、ストレス環境下での生育促進への利用を目指す。
    さらにIOT技術を用いたスマート農業により、収量増大につながる効率的に潅水、施肥、栽培方法を解析する。すでに先端的なスマート農業の研究を行っているZALFと連携し、農工大圃場にて都市型農業に適応したスマート農業技術の研究を行う。

  • 研究計画

    欧州の硫黄欠乏地域でのダイズ栽培法の改善、および硫黄施肥が根圏リン栄養状態に及ぼす影響、ドイツ圃場から単離したダイズ根粒菌の特性解明について、ZALFと共同研究を行う。また排水改善のために行う鍬床層の破砕がダイズ根の分布に及ぼす影響を、農工大圃場においてHTWDの研究者と共同で調査する。圃場に埋め込んだ土壌水分センサーのデータと合わせて考察する。
    有機農業など環境保全型農業に適したイネおよびコムギ品種の特性解明、地球温暖化による高温、干ばつ、養分ストレス耐性の品種特性解明と品種開発をCIMMYTやトロント大学等と協力して行う。
    農工大ブルーベリー圃場土壌から単離した、酸性土壌に適応できるアーバスキュラー菌根菌と真菌類について、菌種の同定と菌相解析を行う。
    バチルス属バイオ肥料原体微生物であるTUAT1株及びその他のバチルス属細菌より、作物生育促進効果のある成分を分画精製する。またこれまでに得られている、バチルスバイオ肥料が水稲塩害耐性を改善する効果の品種間差の結果から、Genome Wide Association Studies (GWAS)により原因遺伝子を絞り込む。さらにこのバイオ肥料が、日本及び欧州のダイズ品種の生育を促進する効果や施用方法の検討を行う。
    スマート農業については既に先端的な取り組みを行っているZALFと議論を重ねながら、農工大圃場にIOT技術を導入し、各種養分センサーやドローンにより撮影した作物の画像と、作物生育収量との関連を解析する。

代表者について

外国人研究者について

Gary Stacey

所属研究機関 ミズリー大学(米国)
部門 Division of Biochemistry
職位 教授
URL

Rowan F. Sage   

所属研究機関 トロント大学(カナダ)
部門 Ecology & Evolutionary Biology
職位 教授
URL

Sonoko D. Bellingrath-Kimura   

所属研究機関 ライプニッツ農業景観研究センター(ドイツ)
部門 Institute of Land Use Systems
職位 教授
URL

Matthew Reynolds   

所属研究機関 国際トウモロコシ・小麦改良センター(メキシコ)
部門 Global Wheat Program
職位 部局長
URL

Knut Schmidtke   

所属研究機関 ドレスデン応用科学大学(ドイツ)
部門 Faculty of Agriculture/Environment/Chemistry
職位 教授, 副学長
URL

その他の研究者

大川 泰一郎 (農学研究院・教授)
山田 哲也 (農学研究院・准教授)
本林 隆 (農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター・准教授)
伴 琢也 (農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター・准教授)
岡崎 伸 (農学研究院・准教授)
元 坤 (グローバルイノベーション研究院・特任助教) ( – 2020.03.16 )
Artigas Ramirez Maria Daniela (グローバルイノベーション研究院・特任助教)
Nguyen Phuoc Hien (グローバルイノベーション研究院・特任助教) (2019.10.16 – )

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