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| 日時 | 2026.11.12(15:30~17:45) |
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ミーティングID:857 3771 3527 パスコード:961961 |
| 講演者 | Dr. Dagmar Voigt ツィッタウ・ゲルリッツ応用科学大学(ドイツ) Dr. Tsunaki Asano 東京都立大学(日本) Dr. Naoe Hosoda 東京工科大学(日本) |
| 講演タイトル | ◆Dr. Dagmar Voigt "Arthropod locomotion and attachment strategies: ecomorphology and bioinspiration" <要旨> Arthropods employ an incredibly diverse range of locomotion and attachment strategies that have enabled them to occupy almost every ecological niche on Earth. Attached to suitable substrates with their feet, several species can hold up to 200 times their own body weight. Insect eggs can withstand detachment forces corresponding to 100,000+ times their own weight. This 'superpower' is driven by a complex interplay of biological, physical, and chemical characteristics at multiple levels, acting together to create sophisticated systems in arthropods, enabling them to survive and evolve successfully. The successful evolution of distinct characters and efficiencies across various organismal lineages indicates ingenious, bio-inspired approaches for innovative technical solutions. The talk provides several examples and insights into the fascinating ecomorphology of arthropods and the functional complexity behind the 'superpower'. --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ◆Dr. Tsunaki Asano "昆虫を特徴づける遺伝子とは?" <要旨> 昆虫は記載種だけでも120万を超え、地球で最も繁栄した分類群と言われることも多い。私はこれまで、外骨格形成システムに絡めて、昆虫の陸上適応や繁栄について議論してきた。昆虫の外骨格は、キチン繊維とキチン結合タンパク質を主成分とするマトリクスで、気管や消化管の一部を含む、ほとんど全ての体表を覆っている。昆虫外骨格の硬化に関わる因子として、以前からマルチ銅オキシデース2(multicopper oxidase2: MCO2)が注目されている。MCO2は酸素分子を補因子としてカテコールアミンを酸化する酵素である。昆虫外骨格の強度と安定性が上昇するメカニズムとして、MCO2による酸化反応を介した外骨格成分間の架橋形成(ポリマー化)が重要とされる。分子系統解析の結果、MCO2をコードする遺伝子は昆虫にのみ存在することがわかっており、これはMCO2による外骨格形成が昆虫特有であることを示唆する。 甲殻類の一系統から分岐した昆虫の祖先は上陸後、カルシウム供給が海ほど十分ではない状況への対応が迫られ、のちに空気中に豊富な酸素を用いた外骨格の硬化システムを獲得したと考えられる。カルシウムを用いないことで達成された軽量な外骨格は、のちに昆虫が翅による飛行を獲得した要因の1つかもしれない。これらが正しいとすると、昆虫の陸上適応におけるMCO2の貢献が非常に大きいと言える。これに関連し、昆虫が海に戻れない理由についてもMCO2から説明ができる。水への酸素溶解度は低く、空気中と比べて圧倒的に酸素量は少ない。そのため、MCO2による外骨格形成が効率的でない可能性がある一方、海にはカルシウムを用いて外骨格を硬くする甲殻類(同じニッチを争う間柄が想定される)がすでに繁栄しており、これが昆虫の海への進出の障害になる、と考えられる。 かように、昆虫の生き様に大いなる影響を与えうる外骨格について、応用面からの考察も面白い。昆虫外骨格を模したマテリアルが仮にあったとして、これにはさまざまな利点が考えられる。すなわち、1)化石資源に頼らない高サステナビリティ、2)酵素反応を利用することによる形成熱の不要化(エネルギー効率の良い生産)、3)自然に近いものであるが故の廃棄時の低環境負担、などの面で、現在社会的に求められている要請に合致する。かつてドレスデンで行った「昆虫外骨格形成のメカニズムに関する応用的展望」に関する話題(2015年)について、新たなアイデアも加えて議論したいと考えている。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ◆Dr. Naoe Hosoda "生物から学ぶ可逆接着" <要旨> ヒトも歩く動物である。ヒトは歩行する際、靴(足裏)と地面の間の「摩擦」による反発力で前進する。このとき、摩擦力は表面に対して平行に作用する。一方、昆虫が葉の「裏側」を落ちずに歩くときは、摩擦だけでなく「接着」が必要になる。その接着力は、表面に垂直に作用する。歩行の際の接着は、次の一歩を踏み出すために剥がせること(剥離)が特徴となる。このような生物の歩行は、接着と剥離を繰り返す機能を開発するためのモデルとなる。 あらためて接着技術の歴史を振り返ってみると、従来はしっかり接着してはがれない「半永久的な接着」が求められていたことが分かる。しかし、持続可能社会の実現のために、リサイクルが重視されると、使用後に分解して分別回収できる剥離機能が必要とされるようになった。この理由により生物の歩行における接着は、必要な時に接着と非着が出来る「一時的な接着」機能の点から注目されている。 自然界では、環境破壊を引き起こした人工の技術に比べ,循環型システムとしての優れたしくみが見られる。自然の創り出したデザインは,循環性・高効率(省エネルギー)・機能性に優れており、ものづくりのプロセスが常温で行われるために経済的である。 本講演では、環境にやさしい接着技術について、バイオミメティクス(生物の機能を模倣する技術)の視点とともに、生物学的な接着モデルについて研究例を紹介する。 |
| 言語 | 英語 |
| 対象 | どなたでも、ご参加いただけます。 |
| 主催 | グローバルイノベーション研究院 食料分野 福原チーム |
| お問い合わせ窓口 | グローバルイノベーション研究院 ・農学研究院 鈴木 丈詞 e-mail: tszk( ここに@ を入れてください) cc.tuat.ac.jp |
| 備考 | 本セミナーは、オンライン・対面型の同時開催となります。 |
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