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生体硬組織の硬さと強さの制御機構の解明と材料への応用

【エネルギー】 新垣チーム

  • 研究概要

    省エネルギー社会における材料の創製に向けては、省エネプロセスの開発、環境負荷の少ない材料の利用、材料の軽量化などの技術開発が求められている。一方、自然界における生物は、地球上のありふれた元素と体内の限られたエネルギーを巧みに利用して材料を作り出し、体のパーツとして機能的に活用している。このような生物における物づくりは、次世代の材料創製法として応用が期待される。本研究チームは、細菌、貝類、昆虫の生体硬組織の硬さと強さの制御機構の解明と、新しい材料の創製に向けた研究を行う。生物工学、材料科学、合成生物学、分子生物学、高分子化学などを専門とする研究者が、従来にはない枠組みの国際研究チームを形成し、包括的なアプローチにより下記研究課題に取り組む。

  • 研究目的

    動物の歯や骨、貝殻に代表されるように、生物は有機物と無機物から成り、軽量で硬くて強い機械特性を有する生体硬組織を形成する。生体硬組織の各部位の重さと機械特性は、生物の機能パーツとして最適に働くようナノ・マイクロレベルで設計・制御されている。本研究チームは、このような生体硬組織の機械特性の発現原理に関わる構造や組成と形成機構の解明を目的として研究を行う。さらに、ここで明らかにされた構造の設計指針や形成機構の利用により、省エネルギー社会の実現に寄与する新しい材料と合成法の開発を行う。

  • 研究計画

    ① 生体硬組織の構造と機械特性の解析
    ヒザラ貝と磁性細菌の合成する酸化鉄の硬度と結晶構造を比較解析する。また、甲虫表皮やシルクフィブロインのミクロ構造を解析し、機械特性の関係を明らかにする。

    ② 生体硬組織形成機構の解析
    ゲノム解析、プロテオーム解析によって、生体硬組織形成に関わる遺伝子およびタンパク質を同定し、形成機構の概要を明らかにする。

    ③ 合成生物学的アプローチによる新材料開発
    磁性細菌をモデルとして、ゲノム情報に基づいた構造や組成の制御された磁気微粒子を合成する細胞を創製する。

    ④ 生体硬組織を模倣した新材料開発
    生体硬組織の解析結果に基づき、硬度と強度の異なる材料を作製し、医療用シート材料や各種工業製品に利用可能な軽量材料等への応用を目指す。

代表者について

外国人研究者について

その他の研究者

吉野 知子 (工学研究院・教授)
中澤 靖元 (工学研究院・教授)

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