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環境とエネルギーの調和と両立:未来社会創造に繋げるエネルギーファシリテータ

【分野融合拠点】 秋澤チーム

  • 研究概要

    これまで世に無いエネルギー貯蔵に関する新しい概念の確立、および、キャパシタデバイス(エネルギーファシリテータ)の確立を目指した国際的な共同研究を推進する。本拠点は、国際共同研究を通して、現行キャパシタを遥かに凌駕する次世代のキャパシタプラットフォームの確立と国際的標準化を目指している。これにより確立されるキャパシタテクノロジーの波及効果は極めて広範囲に渡る。高齢化社会における介護ロボットや車いすの高効率化およびその普及、スマートモビリティー、小型EVカーシェアリングによる子育て世代の支援など、最終的には近未来都市スマートシティへと広がる。このような観点から早急に(日本の優位性があるうちに)産学官が連携して取り組むべき課題として、キャパシタ・フロンティア研究所構想は極めて意義深い。戦略的に取り組むにあたって、東京農工大学には優れた研究拠点が存在し、ナノテクノロジーを駆使した材料開発からデバイス設計、自動車やロボットにいたる応用まで連携した研究推進、人材育成、社会活動等の近未来社会に大きな貢献が期待される。

  • 研究目的

    再生エネルギー(再エネ)の有効利用(2030年再エネ利用率22-24%)を目指すには、再エネによる発電特性向上のみならず、発電、蓄電、送電のすべてにおいて、徹底的な高効率化をはかることが重要な鍵となる。我々のチームでは、あらゆるI-V特性の再エネ(太陽光・風力・マイクロ水力)や植物によって発電された電力を直接、かつ高効率で蓄電・給電を可能とする新概念のエネルギーファシリテータ(新世代スーパーキャパシタ)構築を目指す。

  • 研究計画

    1. 分野融合A:
    不安定で変動の激しい再エネ利用において、あらゆるI-V特性に対応可能なキャパシタをシステムの仲介役として、現行のパワコンや電池では回収仕切れないエネルギーを効率よく回収できる。例えば、太陽光発電においては、太陽光パネル(発電)とリチウムイオン電池(蓄電)の間に、キャパシタを導入することで、不安定な日照や天候不順に対応し、近年変動の激しい気候に対し常に一定の蓄電量を保証可能とするオールウェザー・オールシーズン・オールロケーション対応型の太陽発電を確立する。

    2. 分野融合B:
    植物電池(微生物燃料電池)の原理を利用し、発電した微弱電流を高効率に回収できる蓄電システムを構築する。植物は光合成で生成した糖(グルコースなど)を、根に移動させ貯める。このグルコースの内、20〜30%が根からしみ出し、根に密集したバクテリアが、その糖を分解し、電子とプロトン(H+)を放出する。バクテリアが生成したH+を利用し、燃料電池で発電する。この燃料電池発電による超微弱電流を効率よく、Al電解コンデンサ経由でキャパシタに蓄電・回収する。例えばグリーンルーフを利用した蓄電システムを構築する事で、低炭素・省エネ・防災効果のある「発電グリーンルーフ」として現在の都市部を生き返らせる事ができる。農学研究院側の植物栄養学・土壌微生物学・先端植物工場の知見と、工学研究院側で開発した次世代キャパシタを組み合わせる事で、新規分野の研究を推進していく。

    3. 高速高エネルギー型キャパシタ(スーパーレドックスキャパシタ:SRC)の構築
    上記実験項目で創成し最適化させた電極材料を用いて、高速高エネルギー型キャパシタ “スーパーレドックスキャパシタ(SRC1:負極LVO//正極LVP、SRC2:負極YTOS//正極LVP)”構築を試みる。エネルギーファシリテータに求められる性能を有しているかどうかを検討し、最適化されたセル設計に繋げた高エネルギー密度型新型キャパシタを実現する。

代表者について

外国人研究者について

McMahon Thomas Homer Reid

所属研究機関
部門
職位
URL

その他の研究者

直井  勝彦(工学研究院・教授)
大津 直子(グローバルイノベーション研究院・教授)
岡崎 伸(農学研究院・教授)
岩間  悦郎(工学研究院・准教授)
沖田 尚久(工学研究院・助手)

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