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生体内信号伝達の機能解明に迫る融合光科学研究拠点

【ライフサイエンス】 三沢チーム

  • 研究概要

    光科学は、物理学の主要な分野の中でも他分野との親和性が高く、学際的な融合新領域を形成するのに横断的な役割を果たす。例えば、生命科学の分野において、光科学を駆使した技術開発が期待されている未解決課題の一つとしては、生体内信号伝達機構がある。 生体内信号伝達機構を解明するためには、非侵襲で信号分子の局在・動態・相互作用を検出する必要があるが、それらの信号分子は多くは低分子であるため、生理活性を失わずに蛍光タグなどで標識することができない。

    本研究チームでは、受容体を発現させた細胞と信号分子が水環境下で相互作用する系(下図)をモデルとして、信号伝達分子を無標識イメージングする基盤システムを構築する。

  • 研究目的

    細胞や組織の機能は様々な分子を介した信号伝達により制御されている。多くの医薬品はこの信号伝達機構を操作することで、細胞の機能や分化・増殖を制御している。本研究では、これまでに我々が独自に開発した分子イメージングの手法を用い、生体細胞中における信号分子の局在分布測定に活用することで、生体内信号伝達機構の解明につなげる。

    サブテーマ1: 分子の時空間イメージング技術の開発
    ・信号分子の局在分布を無標識で可視化する。

    サブテーマ2: 嗅覚受容体膜輸送機構の分子機構の解明
    ・信号分子が受容体へ結合した場合の応答を、光学顕微鏡でイメージングすることにより空間情報を取得する。

    サブテーマ3: 気-液-固界面のナノ流体ダイナミクス
    ・薄水膜中でナノ粒子を用いて信号分子を捕集して局所濃度を上げ、流体中で捕集ナノ粒子の挙動を追跡する。

  • 研究計画

    H30年度は、本チームの区切りとなる3年目であることから、過去2年間に蓄積してきた各サブテーマの成果を、生体内信号伝達の機構解明に向けて集約する。

    1.分子の時空間イメージング技術の開発
    時間分解分光法と位相制御コヒーレントラマン顕微分光法とを組み合わせ、生体細胞中における信号分子の局在分布測定に活用する。
    H29年度は、位相制御コヒーレントラマン顕微分光法を活用することで、嗅覚受容体細胞周辺における匂い分子の分布測定を開始した。硫黄原子を含むアミノ酸(およびアミノ酸類似分子)については、本チームですでに測定実績があることから、H30年度に国際共著論文を発表できるものと考える。
    時間分解分光法を活用し、光受容体の分子機構解明の研究を行う。
    新規の光受容タンパクを、波長や安定性を指標に様々な微生物から探索を行い、大腸菌での発現系の構築を行う。

    2.嗅覚受容体膜輸送機構の分子機構の解明
    嗅覚受容体の細胞表面への輸送機構に関する共同研究を継続する。
    RTP(Receptor transporting protein)という一回膜貫通タンパク質の機能を分子レベルで解明することを目標に、国際共著論文を発表する予定である。

    3.気-液-固界面のナノ流体ダイナミクス
    アルバータ大は、ナノサイズの気液界面の移動計測、界面における物質交換、ナノバブル・液滴生成手法で独自の技術を持っている。そこで、アルバータ大のZhang教授と共同で、本チームがモデル系とする気-液界面から液薄膜への信号伝達分子の輸送に関する研究に活用する。

代表者について

外国人研究者について

その他の研究者

養王田 正文 (工学研究院・教授)
亀田 正治 (工学研究院・教授)
田川 義之 (工学研究院・准教授)
小原 祐樹 (工学研究院・助教)

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