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環境負荷低減型持続的食料生産体系確立のための土壌評価システムの構築

【食料】 豊田チーム (2024年度活動終了) ※終了時の情報を記載しています

  • 研究概要

    研究チームは我が国をはじめベトナム、ミャンマー、インド、タンザニア、カメルーン、中国など様々な地域において、土壌肥沃度、土壌伝染性病原菌、植物寄生性線虫、画像データを用いて作物生産性およびその持続性や向上に関するデータを収集してきた。作物生産性の指標となる土壌肥沃度ならびに土壌の持続的利用における最大のキーワードは物質循環と物質循環能を促進するための有機物施用や微生物機能の応用である。本プロジェクトでは、地域資源を利用したバイオ炭や堆肥、緑肥に着目し、物質循環機構、物質循環の要となる微生物群集機能、土壌伝染性病原菌・植物寄生性線虫解析を通して、各地域に最適な環境負荷低減型持続的食料生産体系確立を目指し、そのための土壌評価システムを構築する。また、土壌評価に最新のリモートセンシング技術を導入し、土壌の広域かつ面的評価につなげる。

  • 研究目的

    国連は2015年を「国際土壌年」と名付けたように、「土壌」の重要性が広く認識されている。これは、世界の食料のなんと95%が土壌を基盤として生産されているからである。そのため、限りある土壌資源が持続的な食糧安全保障に必須なだけでなく、土壌資源の有効活用による食糧生産能の向上が各国の経済成長、貧困撲滅などにも密接に関係する。ところが現実は、毎年200億~300億トンもの土壌が水食・風食で失われ、そうした農耕地では生産性が著しく低下している。また、世界の作物生産の半分ほどが病気や害虫、雑草などの損失を受け、その量は年間5億トンに及ぶ。さらには気候変動の影響とみられる異常気象が世界各地で頻発するようになり、作物生産の脅威となり、土壌劣化が進行している。気候変動に適応した土壌の持続的利用法ならびにその評価手法の確立が喫緊の課題である。
    土壌を持続的に利用し続けるには、作物収量を維持・向上させるだけでなく、物質循環能、様々な土壌伝染性病原菌・害虫の効率的な管理、環境負荷を最小限にすることが欠かせない。また、環境負荷を低減し、作物収量を向上させるには、当該地域における有機物資源の有効活用がきわめて重要となる。そこで、各地域に最適な環境負荷低減型持続的食料生産体系確立を目指し、そのための土壌評価システムを構築する。

  • 研究計画

    世界第五位のコメ生産国ベトナムの主要な生産拠点であるメコンデルタでは、水稲3期作が導入され40年が経過しようとしているが、コメ生産の持続性に関して土壌肥沃度、土壌生物機能面から評価した研究例はない。メコンデルタのもう1つの重要課題は、気候変動にともなう海水面の上昇等に伴う塩類障害の多発である。そこで、土壌の肥沃度ならびに持続性の観点から当該地域の生産体系を評価し、ベストな作物生産体系を提案する。
    ベトナムは世界第一位のコショウ生産国、世界第二位のコーヒー生産国であり、ミャンマーは世界第一位ゴマ生産国であるが、これらの栽培地帯で植物寄生性線虫の被害が広がっている。そのため線虫の実態調査を行い、線虫害の影響を明らかにするとともに、持続的生産にむけた線虫防除対策を確立する。
    インドは世界第二位のコメ、コムギの生産量を誇るが、その生産性は決して高くない。生産性の向上には、地域資源を利用したバイオ炭や堆肥の活用が欠かせない。持続的生産体系ならびに生産性改善を目指し、地域資源の活用法ならびにその評価方法を確立する。
    人口が急激に増加し、食糧増産が喫緊の課題であるアフリカでは、窒素とリンの両方が作物生育の制限要因になることが多い。そこで、作物根圏における微生物群集機能の解析を通し物質循環能促進を目指す。また、物質循環機能解析と制御により温室効果ガス発生を抑制できないか評価する。
    いずれの地域においても、作物生産の脅威の1つに病原菌が挙げられる。土壌生物のメタ解析を通して、環境負荷低減型の生産システム確立を目指す。
    土壌データは点でしか採取できないため、リモートセンシング技術を導入することで、土壌-作物体-空間情報をつなぎ、広域土壌評価システムの確立を目指す。

代表者について

外国人研究者について

Karl Ritz

所属研究機関 ノッティンガム大学 (英国)
部門 School of Biosciences
職位 教授
URL

Roland Perry

所属研究機関 ハートフォードシャー 大学(英国)
部門 Department of Biological and Environmental Achiences
職位 教授
URL

その他の研究者

杉原 創 (農学研究院・准教授)
山下 恵 (農学研究院・講師)
Nguyen Van Sinh (グローバルイノベーション研究院・特任助教)   (2020.10.01 – )
李 哲揆 (農学研究院・助教)  (2019.04.01 – 2021.03.31)

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