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分野グループ・研究チームの紹介(食料)

食料4 船田研究チーム

植物バイオマス高度利用のための細胞壁分子構造解析

代表者について

氏名 船田 良
所属研究機関 農学研究院
部門 環境資源物質科学部門
役職 教授
URL http://kenkyu-web.tuat.ac.jp/Profiles/1/00000…

外国人研究者について

氏名 John Ralph
所属研究機関 ウィスコンシン大学(米国)
部門 Department of Biochemical Biology System Engineering
役職 教授
URL https://biochem.wisc.edu/faculty/ralph

氏名 Edouard Pesquet
所属研究機関 ストックホルム大学(スウェーデン)
部門 Department of Ecology, Environment and Plant Sciences (DEEP)
役職 准教授
URL http://www.su.se/english/profiles/epesq-1.251…

氏名 Peter Kitin
所属研究機関 南洋理工大学(シンガポール)
部門 Nanyang Environment and Water Research Institute
役職 上級研究員
URL http://newri.ntu.edu.sg/aebc/Pages/Home.aspx

研究者一覧

梶田 真也(農学研究院・教授)、吉田 誠(農学研究院・准教授)、堀川 祥生(テニュアトラック推進機構(農学研究院)・特任准教授)、半 智史(農学研究院・准教授)、小瀬 亮太(農学研究院・助教(テニュアトラック)

研究概要

植物バイオマスを、再生可能な材料およびエネルギー源として高度利用することは、環境と調和した循環型社会の構築に重要である。植物バイオマスの本体は細胞壁であり、細胞壁の性質がバイオマスの材料特性を決定する。したがって、植物の細胞壁、特に厚い二次壁の分子構造に関して世界に先駆けて新知見を得ることは、植物バイオマスの有効利用にとり重要である。そこで本研究チームでは、細胞壁の生成機構の解明(船田、半)、菌類による細胞壁の生分解機構の解明(吉田)、バイオテクノロジーによるリグニンの構造改変(梶田、諾恩達古拉)、セルロースやヘミセルロースなど細胞壁主成分の高次構造および機能解析(堀川、小瀬)、セルロースナノファイバーなど新規ナノ材料の開発(小瀬)、を主たる目的として研究活動を行う。特任教員として3名の外国人研究者(Ralph教授、Pesquet准教授、Kitin准教授)を招聘し、本学の教員との国際共同研究により、迅速な研究課題の遂行とアウトプット(国際共著論文化)が期待できる。

研究目的

再生可能な材料およびエネルギー源である植物バイオマスを高度に有効利用することは、環境と調和した循環型社会の構築に重要である。植物バイオマスの本体は厚い細胞壁であり、細胞壁の性質がバイオマスの材料特性を決定する。さらに、細胞壁は、細胞の形態や植物自体の体勢を維持する物理的機能、傷害の修復や外敵からの防御に働く生物的機能、大気中のCO2を長期間固定する機能、さらには外界の環境情報を体内へと伝える生化学的機能など、植物の生存に対して重要な役割を担っている。

細胞壁成分の中で最も豊富に存在するセルロースは、紙・パルプや繊維の構成成分として広く利用されている。また近年、化成品や液体バイオ燃料の原料としても着目されている。さらに、セルロースの結晶構造を活かしたセルロースナノファイバー(CNF)としての活用にも大きな注目が集まっており、CNFの有効利用は、日本再興戦略における重要な研究テーマの一つである。従来、CNFは細胞壁からリグニンや非晶性の多糖(ヘミセルロース等)を取り除いた化学パルプを原料として製造されてきた。しかしながら、最終的なナノセルロースの性質に対して、原料の違いや非セルロース成分の存在状態が及ぼす影響については不明な点が多く残されており、緊急に解決すべき課題である。

そこで本研究では、細胞壁の微細構造やセルロースやリグニン等の化学成分が異なる植物試料を使い、培養・栽培条件の変更や多糖分解酵素処理などを行うことにより、多様な細胞壁原料を調製する。さらに、多様な細胞壁原料を水中カウンターコリジョン法によりナノセルロース化することで、新規微細繊維の創出をめざす。また、原料となる様々な細胞壁の構造を2次元核磁気共鳴分光法、リグニンに特異的な蛍光標識法、高分解能顕微鏡観察技術等を駆使して解析し、細胞壁がもつナノセルロースの特性の違いを産み出す要因を世界に先駆けて特定する。

研究計画

植物の細胞壁、特に厚い二次壁の分子構造とハードバイオマスの利用に際して重要になる細胞壁多糖の酵素分解性に関して、主に以下の4項目に関して解析する。

1)細胞壁構造と形成過程を細胞レベルで詳細に明らかにするため、培養細胞および植物体(野生型個体および組換え個体)のリグニン沈着過程を、各種顕微鏡を用いたイメージング技術を駆使して解剖学的に解析する。特に、道管要素や柔細胞など異なる細胞の二次壁でのリグニン沈着状態の顕微的変化を経時的に追跡し、細胞壁の化学的特徴の解析を実施する。また、細胞壁成分の化学的特徴を評価するため、分光分析ならびに多変量解析等により培養細胞および植物体細胞壁を構成するセルロースの高次構造やマトリックス成分の多様性評価に取り組む。さらに、植物細胞壁の微生物や酵素による分解や遺伝子組換えによるリグニン構造改変が細胞壁の分子構造へ与える影響についても解析する。加えて、低温走査電子顕微鏡法および低温蛍光顕微鏡法を駆使し、二次壁形成時のインタクトな植物細胞の状態を解析する。

2)細胞壁多糖の酵素分解性を明らかにするため、糸状菌が植物細胞壁分解時に生産する酸化還元酵素の生理的役割を重点的に解析し、ピラノース脱水素酵素と溶解性多糖モノオキシゲナーゼの相互作用解析を実施する。また、これらの酵素で処理した植物細胞壁の化学的および組織学的変化について、核磁気共鳴法に関する技術や顕微蛍光標識法を利用して明らかにする。

3)植物に内在するリグニン生合成酵素が欠損した変異株を利用し、リグニンの構造改変を行い、化学構造や蓄積パターンを解析する。また、バクテリアに由来するリグニン改変酵素を発現する組換え植物の詳細なリグニン構造を2次元NMRおよび熱分解GC-MSを用いて実施する。さらに、複数のリグニン合成酵素の同時導入により、培養細胞を用いたin vitroリグニン合成系を構築し、新規リグニンモノマーの合成を行う。

4)作成した変異株や組換え個体を原料として、水のみを用いたナノ微細化処理を行い、セルロースナノファイバー(CNF)に至るまでの微細化挙動を検討する。細胞壁に含まれるリグニン量や分子構造が、ナノ微細化挙動に与える影響を評価すると共に、得られたCNF中の化学成分や表面の化学的性質を解析し、CNF製造に適した細胞壁の特徴を明らかにする。

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